2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770103
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三留 規誉 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 資源化学研究所特別研究員 (90431981)
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Keywords | ATP合成酵素 / 構造解析 / 分子モーター / プロトンポンプ |
Research Abstract |
F_0の構造を安定化するために、好熱菌BacillusPS3のATP合成酵素を用いて、回転子のC10-リングと固定子のaサブユニットを1本のポリペプチドとして架橋した(C10-a)F_0F_1を調製した。この融合変異により、F_0の構造が安定化したので、Ni-NATカラムでF_0を精製することが可能となり、高い純度でF_0精製することができるようなった。精製に用いる界面活性剤を検討し、ドデシルマルトシドなどのマルトシド系の界面活性剤とsucrose monodecanoateで安定で単分散した(C10-a)F_0を得ることができることがわかった。蛋白質の結晶形成はその親水性領域が接触して結晶格子を形成する。しかし、F_0モーターは、膜タンパク質であるため、親水性領域が限定されている。親水性領域を拡大すると、結晶は形成しやすくなるので、結晶性を向上させる手段として、抗体のフラグメントを膜蛋白質結合し、結晶化を行うのは有効な戦略の一つである。そこで、F_0に結合するモノクローナル抗体を作製した。ab_2部分複合体を抗原にして、モノクローナル抗体を生産する抗体産生細胞株作成した。抗体のスクリーニングを工夫して、ab_2の細胞質側に結合する抗体とab_2のペリプラズム側に結合する抗体を産生する細胞株を得ることに成功した。単クローン化した抗体産生株を大量培養し、培養上清からモノクローナル抗体を精製した。この抗体をパパインで切断し、Fabフラグメントを得た。これらのFabフラグメントは、ab_2およびF_0に1:1で結合することがわかった。F_0のC10-リングとaサブユニットを1本のポリペプチドとして融合した(C10-a)F_0を調製し、今回調製したFabフラグメントと結合して結晶化を行っている。
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Research Products
(2 results)