2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770103
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三留 規誉 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 特任助教 (90431981)
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Keywords | ATP合成酵素 / 構造解析 / 分子モーター / プロトンポンプ |
Research Abstract |
ATP合成酵素がプロトンの輸送により回転する機構を理解するためには、プロトンチャネルを形成するF_0aとプロトンを結合して回転するc10-リングの複合体の構造を明らかにする必要がある。この複合体は精製や結晶化の際に解離しやすいという問題がある。それを解決するために、好熱菌BacillsPS3を用いて、F_0aとc10-リングを一本のポリペプチドとして融合した(c10-a)F_0F_1と(c10-a)F_0を調製した。タンパク質を結晶化するためには、結晶が形成するまでの間、タンパク質が構造を保っている必要がある。そこで精製した(c10-a)F_0F_1と(c10-a)F_0が25度と4度でどれくらい長く安定でいるかをSDS-PAGEで分析した。その結果、(c10-a)F_0において、c10-aサブユニットは室温で2週間は安定であったが、bサブユニットは、4日以内に部分的に切断されることがわかった。この切断は、4度やpH4.5では起こらず、プロテアーゼ阻害剤の添加で切断が遅くなった。一方、(c10-a)F_0F_1では、少なくとも2週間は全てのサブユニットが安定に構造を保っていた。(c10-a)F_0では、F_1と結合していないbサブユニットは不安定で、混在していたプロテアーゼにより切断されたと考えられる。(c10-a)F_0F_1の精製に用いる界面活性剤の種類と濃度、Ni-NTAとゲルろ過クロマトグラフィーによる精製条件を最適化して結晶化を行っている。
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