2007 Fiscal Year Annual Research Report
好塩性古細菌の硝酸塩還元酵素ハイブリッド複合体に関する研究
Project/Area Number |
19770106
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
吉松 勝彦 Shizuoka University, 理学部, 技術職員 (70376531)
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Keywords | 生体エネルギー変換 |
Research Abstract |
高度好塩性古細菌Halfoerax volcaniiの硝酸塩還元酵素遺伝子オペロン(narABCGHD)にコードされるリスケ型鉄硫黄タンパク質(NarB)の研究を行った。 Hfx.volcanii H26株(pyrE2欠損株)と5-FOAを用い、double crossover法によってnarB遺伝子欠損株を作成した。このNarB欠損株は好気条件で生育するが、脱窒条件下では増殖がみられなかった。さらに、nirKプロモーターに結合さぜたnarB遺伝子を、好塩菌-大腸菌シキトルベクターを用いてnarB遺伝子欠損株に導入した。narB遺伝子を導入することによって増殖が回復することが確認された。このことから硝酸還元酵素遺伝子オペロンにコードされる鉄硫黄タンパク質が、硝酸塩呼吸に関わることが明らかとなった。 次に、narB遺伝子欠損株にC末端側にHis-Tagを結合させたNarBを発現させる遺伝子を導入した。この株も脱窒条件での増殖炉回復したことからHis-Tag結合NarBも生理的に機能することがわかった。このHis-Tag結合NarB発現株の培養を行い、抗His-Tag抗体を用いて発現を検出した所、分子量25,000付近に2本のバンドが検出された。無細胞抽出液を超遠心することによって得た膜画分には低分子量側のバンドのみが検出された。高分子量側のバンドは細胞膜に組み込まれプロセシングを受ける前の細胞質に存在するNarBであると考えられる。 現在、His-Tag結合NarBを大量に調製し、精製を試みている。界面活性剤オクチルグルコシド及びデシルマルトシドを用いた膜画分からの可溶化に成功した。可溶化画分を乱Ni-Sepharoseカラムを用いたクロマトグラフィーを試みたがカラムへの吸着がみられなかった。今後は他の界面活性剤による可溶化の検討と、他のクロマトグラフィーによる精製方法を検討して行く。
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Research Products
(2 results)