2008 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン分泌を制御する新規分子PRIPの役割解明研究
Project/Area Number |
19770111
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
塩井 誠次郎 Fukuoka University, RIセンター, 助教 (80423531)
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Keywords | ホルモンと生理活性物質 |
Research Abstract |
イノシトール1, 4, 5-三リン酸結合性タンパク質(PRIP)の生理機能解析のため、PRIP-KOマウス(哺乳類の二つのPRIPサブタイプPRIP-1,-2ダブルノックアウトマウス)を作製し表現型解析を行った。PRP-KOマウス(若齢)は、高インスリン血症かつ低血糖を示したので、ラ氏島β細胞のインスリン分泌亢進が考えられた。そこで、PRIP-KOマウスを用いてインスリン分泌の解析を行った。先ず、初代培養ラ氏島を調製し、高グルコース濃度で刺激したときのインスリン分泌量を測定してみると、PRIP-KOマウスで有意にその分泌量が亢進していた。さらに、siRNA法でPRIP-2遺伝子をノックダウンした膵β細胞(MIN6細胞株)を用いてインスリン分泌量を測定したところ、分泌量は有意に増加していた。現在、PRIP-1,-2遺伝子をダブルノックダウンさせた場合のインスリン分泌量の変化を調べる段階にある。膵ランゲルハンス島の電子顕微鏡解析では、形質膜上にドッキングしているインスリン顆粒数(RRP : readily releasable pool)が、野生型に比べて増加する傾向にあった。さらに、高KC1で脱分極刺激をおこないRRP(readily releasable pool)からの小胞分泌を優先的に促したところ、有意にインスリン分泌量が増加していた。以上の解析結果から、PRIP-KOマウスではインスリン顆粒の開口放出が亢進していることが示唆される。
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