2007 Fiscal Year Annual Research Report
酵母遺伝学を用いたTORC2キナーゼ複合体下流シグナルの解析
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19770112
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
田淵 光昭 Kawasaki Medical School, 医学部, 講師 (00294637)
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Keywords | スフィンゴ脂質 / アクチン細胞骨格 / ホスフォイノシチド |
Research Abstract |
TORキナーゼは真核生物全般に保存されたセリン/スレオニンキナーゼであり、細胞内ではTORC1とTORC2という2種類の複合体を形成することが知られている。TORC1は、免疫抑制剤ラパマイシン処理により見られる細胞の増殖抑制に関連した機能を担い、一方、TORC2は、ラパマイシン処理では見られないアクチン細胞骨格制御に関連した機能を担うことが明らかにされている。TORC1の機能についてはラパマイシン処理による表現型を元により詳細な解析がされているが、TORC2の機能につてはその詳細は未だ不明な点も多い。申請者は、TORC2の下流因子として見出したS1m1/S1m2という2つの分子が、さらにその下流に存在するIsc1という形質膜にあるイノシトールリン酸セラミド(IPC)というスフィンゴ脂質の一つを分解するリパーゼを負に制御することにより結果としてアクチン細胞骨格を制御することを見出した。しかし、S1m1/S1m2とIsc1との直接的な相互作用は見出されておらず、S1M1/S1m2とIsc1との間には更に別の分子が存在することが示唆された。本研究では、このS1m1/S1m2とIsc1をつなぐ未知分子を遺伝学的、生化学的に同定することを目的としている。平成19年度は、生化学的にS1m1/S1m2とIsc1の間にある未知分子を同定するために、S1m1とIsc1のC末端に6xHis-tag-TEVプロテアーゼ切断部位-GFPまたはmRFPからなるタグを融合したプラスミドを作製し、それぞれをS1m1Δ/S1m2Δ/isc1Δ三重破壊株に導入した株を作製した。今年度は、この株を用いてS1m1、Isc1のそれぞれ結合するタンパク質を精製し、質量分析により同定することによりS1m1とIsc1の間にある未知分子の同定を試みる予定である。
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Research Products
(2 results)