2008 Fiscal Year Annual Research Report
病原感染による補体レクチン経路活性化におけるセリンプロテアーゼMASPの機能解析
Project/Area Number |
19770113
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
岩城 大輔 Fukushima Medical University, 医学部, 助教 (10315492)
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Keywords | 自然免疫 / 補体 / レクチン / セリンプロテアーゼ |
Research Abstract |
補体レクチン経路は、mannose-binding lectin(MBL)およびficolinが、病原体表層糖鎖を認識し活性化される。MBLおよびficolinは、3種のMBL-associated serine protease(MASP)と複合体を形成している。レクチン経路活性化の際に、MASP-1は補体成分C3を直接活性化し、活性化したC3はオプソニンとして作用する。MASP-2はC4とC2を活性化し、活性化されたC4とC2は、C3転換酵素を形成する。一方、MASP-3の生理的機能については不明である。3タイプのMASP欠損マウス(MASP-1/3 KO、MASP-2 KO、MASP-1/2/3 KO)解析の結果、MASP-1/3 KOおよび甑SP-1/2/3 KOマウスにおいて、ファゴサイトーシス能の有意な低下が認められた。このことから、MASP-2よりもmSP-1あるいはMASP-3がオプソニン化においてより重要な役割を果たしていると考えられた。本年度は、組換えMASP-3(rMASP-3)を用いてMASP-3の活性化機構と機能について検討した。rMASP-3はStaphylococcus aureusにより活性化が誘導され、活性化にはMBL-Aを必要としたことから、MBL-A-MASP-3複合体が細菌を認識することで活性化が誘導されると考えられた。rMASP-3のMASP-1/2/3 KO血清への添加によりS.aureusへのC3沈着は回復し、オプソニン活性も野生型血清の90%まで回復したが、rMASP-3によるC3およびC4の直接活性化は見られなかった。また、MASP-1/3 KOおよびMASP-1/2/3 KO血清において、補体B因子活性化が著しく低下しており、rMASP-3の添加でB因子の活性化は1回復した。以上の結果より、MASP-3の補体第二経路活性化への関与が示唆された。
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