2009 Fiscal Year Annual Research Report
病原感染による補体レクチン経路活性化におけるセリンプロテアーゼMASPの機能解析
Project/Area Number |
19770113
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
岩城 大輔 Fukushima Medical University, 医学部, 助教 (10315492)
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Keywords | 自然免疫 / 補体 / レクチン / セリンプロテアーゼ |
Research Abstract |
補体レクチン経路は、mannose-binding lectin (MBL)およびficolinが病原体表層糖鎖を認識し活性化される。MBLおよびficolinは、3種のMBL-associated serine protease (MASP)と複合体を形成し、MASP-1およびMASP-2は補体活性化に関与することが知られているが、MASP-3の生理的機能については不明である。組換えMASP-3(rMASP-3)を用いてMASP-3の活性化機構と機能について検討したところ、rMASP-3はStaphylococcus aureusにより活性化が誘導され、活性化にはMBL-Aを必要とした。3タイプのMASP欠損マウス(MASP-1/3 KO、MASP-2 KO、MASP-1/2/3 KO)解析の結果、MASP-1/3 KOおよびMASP-1/2/3 KOマウスにおいてファゴサイトーシス能の有意な低下が認められた。rMASP-3をMASP-1/2/3 KO血清に添加すると、S. aureusへのC3沈着は回復し、オプソニン活性も野生型血清の90%まで回復したが、rMASP-3によるC3およびC4の直接活性化は見られなかつた。また、MASP-1/3 KOおよびMASP-1/2/3 KO血清において補体B因子活性化が著しく低下していたが、rMASP-3の添加によりB因子の活性化は回復し、MASP-3の補体第二経路活性化への関与が示唆された。本年度は、MASP-3による第二経路活性化機構について検討した。S. aureus誘導によるB因子活性化の再構成実験をおこなったところ、rMASP-3、rMBL-AおよびC3(H_2O)の存在下でB因子の活性化がみられた。また、この反応系に前駆体D因子を加えたところB因子活性化は増強され、MASP-3のD因子活性化への関与が示唆された。
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