2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770114
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
福元 隆浩 Hokkaido University, 遺伝子病制御研究所, 助教 (50433024)
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Keywords | セロトニン / 生理活性 / 酵素 |
Research Abstract |
本研究は、神経伝達分子として知られているセロトニンの新たな生理機能を探索する事を目的としている。昨年度、セロトニンが生物の中心軸形成に於いて重要な働きをする事を明らかにした為、その後の詳細なる分子機構の解析を行った。実験動物としては、昨年度同様、ニワトリとメダカの初期胚を中心とした。更なる一般原理を追求する目的から、マウス初期胚も追加して、より詳細なる分子機構の解明を目指した。結果、セロトニンの生物内での局在を制御している新規の細胞接着分子群を同定した。この成果は、生物の中心軸規定機構をテーマに於いた実験ならびにセロトニンがガン細胞増殖活性を持ちうる結果を得たテーマより独立的に同定した。故に、本研究機関で同定できた細胞接着分子は、生命現状の多くに関与している事が期待され、来年度以降も継続して探求するべき分子であると考えている。この細胞接着分子に関しては、幾つかの共同研究先も興味を示しており、(本研究課題の目的であった、セロトニンの新しい生理活性能の探索は十二分に達成できていると考えており、現在、この分子の同定に関する論文を執筆中である。他方、今年度に大学を移籍した為、学会に参加する時間を確保できなかったけれども、数報の論文を準備中であり、本研究費に感謝する。他方、産婦人科との共同研究も順調に推移しており、培養細胞レベルでは中心軸形成と同様の分子機構である事が予想されるまでに至っている。現在、動物実験を迅速に遂行中であり、確信の持てる結果が出次第、上記のテーマ同様、論文投稿の予定である。
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