2007 Fiscal Year Annual Research Report
膜受容体のエンドサイトーシスに関与する新規分子ファミリーの機能解析
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19770115
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
與五沢 里美 Tokyo University of Science, 生命科学研究所, ポストドクトラル研究員 (60392437)
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Keywords | 細胞生物学 / タンパク質 / 受容体 / 輸送 / B細胞 |
Research Abstract |
B細胞抗原受容体(BCR)は抗原と結合すると、細胞の活性化・増殖・分化などを誘導する活性化シグナルを細胞内へ伝達する。その後、BCRはエンドサイトーシスにより抗原を細胞内へと取り込む(インターナリゼーション)ことで抗原の分解とMHC分子への提示に機能しているが、これらの詳細なメカニズムについては不明である。CMTM3/BNAS2は、4回膜貫通型MARVELドメインとロイシンジッパーを有するCMTMファミリーの一つである。このCMTMファミリー(CMTM1-8)は2003年にゲノム塩基配列中に見出されたが、これらの機能は未だほとんどが不明である。唯一CMTM8に関してはEGF受容体のエンドサイトーシスに促進的に働くことが報告されており、また、MARVELドメインを有するタンパク質はメンブレントラフィックに関与するものがあることが知られている。そこで、本年度はCMTM3がメンブレントラフィックに関与するかを検討し、以下の結果を得た。まず、HeLa細胞にCMTM3を過剰発現させ、免疫染色によりその局在を調べたところ、主に細胞膜、初期エンドソーム、クラスリン被覆小胞に局在が見られた。また、ニワトリB細胞株DT40のCMTM3欠損株を作製し解析したところ、架橋によるBCRのインターナリゼーションが遅延し、それはCMTM3導入により回復した。さらに、BCR架橋によるCMTM3の局在の変化を観察したところ、BCRのキャッピングとの共局在が見られた。従って、CMTM3は、BCRのインターナリゼーションを正に制御していることが示唆された。
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