2008 Fiscal Year Annual Research Report
膜受容体のエンドサイトーシスに関与する新規分子ファミリーの機能解析
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19770115
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
與五沢 里美 Gunma University, 生体調節研究所, グローバルCOE研究員 (60392437)
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Keywords | 細胞生物学 / 蛋白質 / 受容体 / 輸送 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
B細胞抗原受容体(BCR)は抗原と結合するとIgα/βと共に膜複合体を形成し、細胞の活性化・増殖・分化などを誘導する活性化シグナルを細胞内へ伝達する。その後、BCRはlgα/βと解離し、エンドサイトーシスにより抗原を細胞内へと取り込むことで抗原の分解とMHC分子への提示に機能しているが、これらの詳細なメカニズムについては不明である。CMTM3/BNAS2はBCRアダプタータンパク質BLNKと結合する分子として同定され、昨年度において、CMTM3がBCRエンドサイトーシスを正に制御していることを見出した。そこで、今年度はCMTM3がBCRエンドサイトーシスにおいてどのように機能しているかを検討し、以下の結果を得た。 FLAG-CMTM3を安定発現させたマウスB細胞株BAL17を用いて、抗FLAG抗体により細胞膜のCMTM3を標識し、BCR架橋によるBCRエンドサイトーシスを観察したところ、細胞膜のCMTM3がBCRと共にエンドサイトーシスされた。また、BCR架橋によるCMTM3及びBLNKの局在の変化を観察したところ、CMTM3とBLNKは、BCR架橋後一時的に細胞膜に局在し、その後CMTM3のみエンドサイトーシスしたBCRと共局在することがわかった。さらに、BLNK欠損マウスの脾臓B細胞を単離し、架橋によるBCRエンドサイトーシスを調べたところ、野生型マウスと比べBCRエンドサイトーシスが遅延することを見出した°このことから、CMTM3はBLNKと共に架橋によるBCRの膜複合体で機能し、その後、BCRと共にエンドサイトーシスされることで、BCRエンドサイトーシスに機能しているごとが明らかとなった。
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