2008 Fiscal Year Annual Research Report
微生物の複合体型カチオン/プロトン対向輸送体の研究
Project/Area Number |
19770116
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
山口 利男 Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences, 薬学部, 助教 (50434452)
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Keywords | 微生物 / 生体分子 / 膜蛋白質 / イオン輸送 / 対向輸送体 |
Research Abstract |
昨年度までにおいて、Sinorhizobium melilotiの複合体型カチオン/プロトン対向輸送体(CPA-3family輸送体)であるPhalシステムの大腸菌における発現系を確立した。作製した菌株を用いてPhalシステムの機能解析を行った結果、Pha1システムが既知のCPA-3familyの輸送体と異なりK^+輸送能を持つこと、K^+だけでなくNa^+の輸送能を持つこと、またNa^+/K^+選択性がpHによって変化することを明らかとした。さらに興味深い事に、Na^+輸送とK^+輸送が異なる機構によって制御されている可能性も見出した。これらの知見については昨年論文に纏め、現在査読中である。一方で、他のCPA-3 family輸送体に見られないK^+輸送能に必須のPhalサブユニットの特定を目的として、Na^+選択性の高い複合体型カチオン/プロトン輸送体である枯草菌のSha(Mrp)システムとPhalシステム間でのサブユニット置換を試みた。しかしながら発現系の検討過程において、Shaシステムの大腸菌用高発現ベクターへの導入が困難である事が判明した。そこで、すでに他の細菌由来のCPA-3 family輸送体の大腸菌での高発現に成功していた東洋大学伊藤政博准教授に依頼し、Baeillus pseudofirms OF4由来のmrp_(BsOF4)遺伝子群全長のクローン、およびsingle subunitのdeletion cloneの譲渡を受けた。現在これらのクローンを基にサブユニット置換実験に必要な発現プラスミドの構築を進めている。
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