2008 Fiscal Year Annual Research Report
DNA結合タンパク質の単一分子計測に向けた慎重固定化DNAチップの作製
Project/Area Number |
19770124
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松尾 保孝 Hokkaido University, 電子科学研究所, 助教 (90374652)
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Keywords | 1分子計測(SMD) / ナノバイオ / 生物物理 / 表面・界面物性 / 核酸 |
Research Abstract |
本研究の目的は微細な凹凸構造をもつ基板上にDNAを伸長固定化することでDNA結合タンパク質が自由な環境下でDNAと相互作用が可能となるDNAチップの作製を行うことである。作製したチップを用いることでDNA結合タンパク質の結合ダイナミクスを-分子レベルで簡易に分析可能にすることが可能となる。本年度の研究成果としては光リソグラフィー技術を用いたシリコン基板上への微小な凹凸構造作製の改善を図った。フォトマスク利用からEB露光装置の利用に変更し、より微細な構造体作製を行った。この時、エッチング過程で保護ガスの影響により基板表面が機水状態になることがわかったため、基板表面の洗浄時間をコントロールすることにより親水状態の制御を行った。この基板を用いてLangmuir-Blodgett(LB)法によりDNAの伸長固定化を試みた。凹凸構造上では構造由来の張力が働き、平坦なシリコン基板上でDNAが伸長固定化される条件とは大きく異なった。そのため洗浄状態の制御でDNAが伸長固定化される最適な条件の抽出を行った。また、光リソグラフィーは時間と複雑な工程を要することから数多くの伸長固定化基板を作製することが難しいため、一度作製したシリコン凹凸基板を高分子フィルムに転写してマスクとし、そのマスクを用いてシリコンをエッチングして凹凸構造を作製した。この基板を用いてLB法によるDNAの伸長固定化を行ったところ、凹凸構造上に伸長固定化したDNAが観察された。このDNA伸長固定化基板を用いることによりタンパク質との相互作用を蛍光顕微鏡でリアルタイムに観察可能とし、容易で多数のDNA-タンパク質結合ダイナミクスの解析を可能とした。
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