2008 Fiscal Year Annual Research Report
無細胞タンパク質合成系を利用した光受容膜タンパク質の発現法と機能解析への応用
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19770136
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
下野 和実 Matsuyama University, 薬学部, 助教 (30415187)
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Keywords | 光受容膜タンパク質 / 無細胞タンパク質合成 / ステロイド系界面活性剤 / リボソーム / バクテリオロドプシン / フォールディング |
Research Abstract |
本研究は,無細胞タンパク質合成技術を利用して光受容膜タンパク質の大量機能発現系を開発し,詳細な機能解析に応用することを目的とする.昨年度までに光駆動型プロトンポンプであるバクテリオロドプシン(BR)を,ステロイド系界面活性剤(コール酸,CHAPS,ジギトニン)と卵黄フォスファチチジルコリンを反応液のみに共存させ,透析による界面活性剤除去と脂質リボソーム形成を同時に行わせることで,活性を保持した状態で大量(約0.5mg/mL反応液)に得ることに成功した。本年度は,大腸菌で大量発現が困難とされている光受容膜タンパク質(海洋性藻類由来のロドプシン(ARI,ARII))に対し本技術を適応し,その有用性を検証した。その結果,ARI,ARIIともに構造を保持したと思われる状態で大量合成できることを確認した。従って,本技術は,これまで大量試料調製が困難であった光受容膜タンパク質の構造・機能解析のための試料調製法として有用であると考えられる。さらにアフィニティー精製,ゲルろ過精製を行い,ほぼ単一バンドまで精製することができた。今後,無細胞タンパク質合成したARI,ARIIに対し詳細な機能解析を行う予定である。また本法によるBRの合成では,臨界ミセル濃度の4倍以上のジギトニン(0.4%)を共存させた場合に比活性の高い合成沈殿物(脂質2重膜に挿入されていると考えられる)ができることがわかった。このメカニズムについては不明であるが,本法の改良に役立つ情報が得ることができた。
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Research Products
(2 results)