2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770137
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
座古 保 The Institute of Physical and Chemical Research, 前田バイオ工学研究室, 研究員 (50399440)
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Keywords | 好熱菌タンパク質 / 分子シャペロン / シャペロニン / プレフォルディン / 分子間相互作用 / リフォールディング / 蛍光偏光異方性解消法 |
Research Abstract |
シャペロニン(CPN)はATP依存的に基質である変性タンパク質をリフォールディングする代表的なシャペロンである。一方プレフォルディン(PFD)は変性タンパク質を補足し、CPNへ受け渡すと考えられているが、詳細な機構は未解明である.本研究では、ATPアナログを用いて、シャペロニンの構造変化サイクルを人為的に止め、これらの構造状態に対するプレフォルディンの結合・解離を分析することを目的としている.申請者はこれまでにADPなどのATP加水分解中間体を模したATPアナログを用いることで、超好熱性古細菌Thermococcussp.strainKS-1由来のCPNホモオリゴマーの構造変化サイクルを途中で止めることに成功している.これにより各構造状態のシャペロニンとプレフォルディンの相互作用解析が可能となる. 蛍光偏光異方性解消法を用いて相互作用解析を各ヌクレオチドアナログ(ATP,ADP,AMP-PNP)存在下で行ったところ、PFDはヌクレオチドフリーの状態(OPEN構造)のCPNに強く結合し、AMP-PNP状態(CLOSE構造)には最も弱く結合することが分かった.興味深いことに、PFDはADP状態(OPEN構造)のCPNに最も強く結合した.この結果は、ヌクレオチドフリーの状態とADP状態では、同じくOPEN構造をとってはいるが、局所構造は異なっていること、PFDはCPNによるATP加水分解サイクルの中でも、ADP状態に強く結合して基質タンパク質を受け渡していることが示唆された.
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