2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770146
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
成田 央 Osaka University, 大学院・生命機能研究科, 助教 (50437399)
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Keywords | DNA修復 / 転写反応 / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
TCRに必須な因子の転写反応における効果を検討するために、前年度に構築した試験管内転写系を用いて解析を行った。その結果、精製したRNAポリメラーゼII単独による転写系や、HeLa細胞核抽出液を用いた転写系において、XPGが転写反応を正に制御する可能性が示唆された。現在は、観察された効果の特異性を他の実験系を用いて検討を行っている。特異性が確認できれば、これまで報告されているXP-G患者の変異型XPGタンパク質を用いて、臨床症状と転写系における活性に関係があるか検討を行う予定である。 刺激に応答した転写反応を観察するアプローチにおいては、前年度においてXPGをノックダウンした細胞では上皮増殖因子(EGF)で刺激した後のc-fos遺伝子の誘導発現が抑制されることを報告した。そこで本年度はクロマチン免疫沈降法を用いて、この誘導発現の抑制のメカニズムの解析を行った。その結果、現在のところ正常細胞において、RNAポリメラーゼIIや基本転写因子、転写伸長因子がEGFの刺激に応答してc-fos遺伝子座にリクルートされることが分かった。そのため、今後はXPGのノックダウンによってこれらの因子のリクルートに変化が見られるか、また正常細胞においてEGF刺激の前後におけるXPGの分布について検討を行う予定である。 DNAマイクロアレイを用いた解析においては、マウスのXPGをノックダウンした細胞が入手できたのでDNAマイクロアレイを用い正常細胞との遺伝子発現の変化を観察した。今後は前年度の結果と合わせ、XPG欠損による遺伝子発現の変化とXPGの細胞内機能について明らかにしていく。
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