2009 Fiscal Year Annual Research Report
染色体複製開始を促進する機能性DNA配列とその活性化因子の探索及び解析
Project/Area Number |
19770150
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤光 和之 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 特任助教 (90448431)
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Keywords | 核酸 / 遺伝子 / 蛋白質 / 活性制御 / 機能性DNA |
Research Abstract |
大腸菌の複製開始蛋白質DnaAの活性は、ヌクレオチド結合によって調節されており、ATP結合型が活性型で、ADP結合型は不活性型である。そのため、ATP型DnaAの蓄積が複製開始の鍵となると考えられる。既に申請者は、特異的なDNA配列(DARS, DnaA-Reactivating Sequence)がADP結合型をATP結合型へ再活性化することを明らかにしている(Fujimitsu et al 2009 Genes & Dev)。このDARS活性は、大腸菌の蛋白粗画分によって促進される。そのため、蛋白粗画分中に、DARS促進因子(DAF, DARS-Activating Factor)の存在が示唆された。そこで、本研究では、DAFの単離、同定及び機能解析を研究目的としている。 平成20年度の研究で、DAFが複数の因子によって構成されている事を明らかにし、その構成因子の一つを同定した(DAF1, DARS-activating factor 1)。平成20年度の研究では、さらなるDAF構成因子の同定を目指し、DAF1存在下で、DARSを促進する因子の探索を行った。その結果、新たにDAF2を同定し、精製DAF1、DAF2を用いてDARS2促進活性を再構成する事に成功した。さらに解析を進めた結果、DAF1、DAF2は共にDNA結合蛋白質であり、それぞれがDARS内の特異的な配列を認識している事が分かった。また、染色体DARS上のDAF1、またはDAF2結合領域に変異を導入すると、染色体複製開始能が低下した。この結果は、DAF1/2両者が細胞内で機能している事を示唆している。以上のように、本研究目的であったDAFの単離、同定に成功した。今後の課題として、DAF1、DAF2を介した複製開始制御メカニズムの解明が上げられる。
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