2007 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン制御機能ネットワークの理解に向けた複合体解析
Project/Area Number |
19770152
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
田上 英明 Nagoya City University, 大学院・システム自然科学研究科, 准教授 (70273216)
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Keywords | クロマチン制御 / 機能ネットワーク / ヒストン複合体 |
Research Abstract |
本研究はヒストン及び,クロマチン関連複合体解析を通してクロマチン形成やエピジェネティック情報維持の分子機構,および動的なクロマチン制御を介する細胞機能ネットワークの解明を目指したものであり,平成19年は以下の点について解析を行った。 これまでに出芽酵母及び分裂酵母から精製した各種ヒストン複合体について,グリセロール密度勾配遠心法によりヘテロジェネィティ等を詳細に検討した。出芽酵母,分裂酵母,ヒトから精製したヒストンH3/H4複合体が異なり,Asf1以外のいわゆるヒストンシャペロンの存在に顕著な違いが見られた。現在,出芽酵母において,それらヒストンシャペロン因子群についてもエピトープタグを付加した株を構築しており,複合体同士の分子機能について,in vitro再構成系を用いて検討しているところである。生理的クロマチン再構成系は,クロマチン形成だけでなく,クロマチン上で起こる転写や複製等の分子メカニズムを理解する上で必須であると考えている。 また,ヒストン遺伝子の3'UTR領域の新たな機能や大量発現による複合体形成異常などダイナミックな制御システムを理解する上での問題点を浮き彫りにした。細胞周期依存等の一過的な相互作用や比較的弱い相互作用について解析を進めるため,細胞固定によるヒストン複合体スナップショット系を確立した。現在,この手法を駆使して,さらなる機能ネットワークの探索を行っている。
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Research Products
(2 results)