2008 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン制御機能ネットワークの理解に向けた複合体解析
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19770152
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
田上 英明 Nagoya City University, 大学院・システム自然科学研究科, 准教授 (70273216)
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Keywords | クロマチン制御 / 機能ネットワーク / ヒストン複合体 |
Research Abstract |
本研究はヒストン及び、クロマチン関連複合体解析を通してクロマチン形成やエピジェネティック情報維持の分子機構、および動的なクロマチン制御を介する細胞機能の解明を目指したもので、複合体精製法によるヒストン相互作用因子ネットワークとそのダイナミクス解析を行った。分子遺伝学的手法も容易な酵母をモデル系として、種々のヒストン複合体の機能解析を進めた。出芽・分裂酵母のヒストン遺伝子および数種のクロマチン関連因子にエピトープタグを付加して複合体精製を行った。特に、出芽酵母の主要H2AとH2Bについてはhta1, hat2およびhta1, hat2遺伝子全てについて精製を行った結果、複合体のヘテロジェネイティはあるものの主要なH2A-H2B複合体には、ヒストンシャペロンであるNap1やカリオフェリンKap114に加えてSpt16-Pob3(FACT)が主要構成因子として含まれていた。EACTは転写中などにヒストンH2A/H2Bをヌクレオソームから解離させる活性を持つことがin vitroで示されていたが、転写阻害剤等を含めた各種薬剤の影響について解析した。さらにホルムアルデヒド固定をはじめとした様々な条件下において、精製を行う複合体スナップショット解析計を構築した。その結果、酵母においてヒストンシャペロンFACTが複製や転写だけでなく、よりグローバルにヒストンH2A/H2Bをクロマチンから解離させるという興味深い結果を得た。ヒストンダイナミクスとその生理的機能について現在解析を進めている。
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Research Products
(2 results)