2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770160
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 隆史 Gunma University, 生体調節研究所, 助教 (70344934)
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Keywords | Rab8a / 上皮細胞 / 遺伝子欠損マウス / 極性 / トランスポーター |
Research Abstract |
本研究では、極性を持つ上皮細胞において細胞膜のapical面とbasolateral面に別々に蛋白質を輸送する経路を制御する分子について研究している。その中のRab8a分子の遺伝子欠損マウスを作製し、解析したところRab8aKOマウスは離乳後間もない時期に死亡した。このRab8aKOマウスでは、小腸の吸収上皮細胞のapical面に局在する膜消化酵素やトランスポーター分子のlysosomeへの蓄積や微絨毛の萎縮が顕著であった。実際に小腸における各栄養分の吸収速度は有意に低下していたため、Rab8KOマウスは栄養吸収不全を呈し死亡するものと考えられた。さらにRab8KOマウスと表現型が酷似する微絨毛萎縮症の患者の小腸でのRab8の発現量が有意に減少していた。この結果は、微絨毛萎縮症とRab8分子の関連を示唆するものである(Sato, et. al., Nature 2007)。 現在はRab8と相互作用分子の検索法を確立するため、免疫沈降法でRab8aに結合する蛋白質を共沈降させることが出来ることを確認した。現在apical面への小胞輸送に関わる分子同士の相互作用を検討中であるとともに、Rab8aKOマウスにおけるこれらの分子の動向が正常なものか否かについて検討中である。さらに、Rab8a並びにRab8bの両者を欠損するマウスの作製は完了しており、その表現型を解析中である。主に上皮組織や神経組織において極性マーカーによる染色を行い、さらに電子顕微鏡によって微細な形態に異常が起きるか否かについて検討中である。
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Research Products
(6 results)