2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770160
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 隆史 Gunma University, 生体調節研究所, 助教 (70344934)
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Keywords | 上皮細胞 / KOマウス / Rab8 / 極性輸送 |
Research Abstract |
上皮細胞や神経細胞などの極性を持つ細胞では、apical、basolateralという2種の異なる細胞膜領域が、各々固有の役割を果たすことで正常な機能を維持している。この細胞極性の維持には、合成された蛋白質を別々の小胞に振り分けて各々の細胞膜領域へと運ぶ極性輸送が必須である。 そこで本研究では復帰可能なKOマウス作製法を独自に開発し、上皮細胞のbasolateralへの極性輸送に関わると言われて来たRab8aの全身並びに組織特異的KOマウスの作製と解析を行った(Nature448, 366, 2007)。Rab8aKOマウスは、小腸上皮細胞のapicalの酵素などの局在異常や、微絨毛の萎縮などの症状が現れ、栄養摂取障害で出生後死亡した。さらにこのマウスと同じ症状を呈するヒトの微絨毛萎縮症の患者の小腸でRab8aの量の減少が見られ、Rab8aとこの病気の関連も示唆された。最近我々の知見を元に、微絨毛萎縮症の原因遺伝子がRab8aに結合する蛋白であるMyosinVbであることも判明し(Nat. Genet. .40, 1163, 2008)、微絨毛萎縮症の原因究明や臨床診断、治療に役立てることが出来た。 Rab8群には、Rab8aに極めて類似したRab8bという分子が、Rab8aに相当する量で各種臓器に存在する。Rab8bがRab8aの機能の代償を行ったり、basolateralへの輸送に関与する可能性も考えられる。今までに作製したRab8b欠損マウスならびにRab8ab両方を欠損するマウスの解析からはRab8bの機能が明らかとなっていないため、今後さらなる解析が必要である。
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Research Products
(9 results)