2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770166
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大崎 雄樹 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 助教 (00378027)
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Keywords | 脂質滴 / Apolipoprotein B / 小胞体 / VLDL / プロテアソーム |
Research Abstract |
本研究課題の研究目的は「脂質滴とERの構造的連関を明らかにする」「脂質滴-ER複合体とApoBのプロテアソーム分解系との機能的連関を明らかにする」の二点である.今年度は主として前者の到達目標に沿って研究を行った. 1 プロテアソーム阻害剤処理した肝癌由来細胞株Huh7では脂質滴(LD)を半月状に取り巻くApoB構造(ApoB-crescent)が観察される.電顕下ではLDと密着した薄いER膜構造が確認され,免疫電顕によりLD-ER密着構造内腔にApoB,ERシャペロンの存在が確認された. 2 ApoBへの脂質付加を触媒する酵素MTPを薬理的ないしはsiRNA導入により機能阻害すると,ApoB-crescent形成はプロテアソーム阻害時でも誘導されず,LD-ER密着構造に集積するApoB分子は脂質付加を受けたものであることが判明した. 3 生化学的に精製した脂質滴画分をアルカリ処理し再度超遠心法により分画すると,ApoBは依然脂質滴に留まり非イオン性結合によりLD-ER密着構造膜に強く結合していた.様々な可溶化処理に対する感受性検査の結果,LDに密着するER膜はコレステロールに富む特異な亜領域である事が分かった. 4 脂質滴形成の亢進機能が推測されるADRP,TIP47の発現量とApoB-crescent形成頻度とは逆相関を示した.またApoB-crescentは脂肪酸負荷,小胞輸送障害等のpre-VLDLがER内に蓄積する条件で増加した.すなわち同構造は通常時も一過性に形成されて余剰のApoB-lipoproteinを分解するER亜領域として機能している事が示唆された. 以上の本年度の成果は現在学術誌に投稿中である.次年度はApoB-crescent形成と蛋白質分解に関わる分子の同定を中心に研究を進める.
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Research Products
(8 results)