2007 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量GTPase ARFRP1によるメンブレントラフィックの調節
Project/Area Number |
19770169
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
申 惠媛 Kyoto University, 薬学研究科, 助教 (10345598)
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Keywords | 小胞輸送 / メンブレントラフィック / ゴルジ体 / 低分子量GTPase |
Research Abstract |
細胞の中で合成されたタンパク質や細胞の外から取り込まれたタンパク質の輸送は輸送小胞を介して行われている。低分子量GTPase ADP ribosylation factor (ARF)は輸送小胞形成のスイッチの役割を担う分子である。本研究ではARFファミリーのうち、ARF-related protein l (ARFRP1)やARF-like protein l (Arll)の制御機構を明らかにすることを目的としている。これまでに代表者や他の研究グループはArllとARFRP1の変異体の発現の解析からArllはARFRP1の下流に機能していると考えていた。本研究ではARFRP1やArllをRNAi法によるノックダウンすることに成功し、それぞれ特異的な機能を発揮していることを見出した。さまざまな輸送経路のうち、ARFRP1はタンパク質のゴルジ体から細胞膜への順行輸送に、Arllはエンドソームからゴルジ体への逆行輸送を制御していることを明らかにした。さらにArllは小胞輸送の過程で融合に必須であるSNARE分子群のうち、特異的なSNARE (Syntaxin6, Syntaxinl6, Vtila)を調節することでその逆行輸送を制御していることを明らかにした。これらの研究成果は現在投稿準備中である。 さらに、酵母2-hybridスクリーニング法により活性型のArllと結合する様々なタンパク質の同定に成功した。そのなかには、小胞輸送の過程で重要な役割を果たす膜の変形にかかわるタンパク質や、小胞の輸送に必須であるモータータンパク質などが含まれていた。今後はこれらのタンパク質がどのようにArllの制御下にある輸送経路にかかわっているかを明らかにしていく予定である。
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