2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨分化・筋分化に関わるマイクロRNAの同定とその機能解析
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19770171
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
寺澤 和哉 Kyoto University, 薬学研究科, 特定助教(産学連携) (00361569)
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Keywords | 細胞分化 / マイクロRNA |
Research Abstract |
マイクロRNA(miRNA)は植物から動物まで広く保存した20塩基程度のタンパク質をコードしないスモールRNAで、翻訳レベルで遺伝子発現を制御しており、近年、発生や分化、癌、アポトーシスといった生命現象にひろく関与することが明らかにされつつある。これまでの多くの研究がタンパク質をコードする遺伝子に着目したものであることから、miRNAの機能解明は複雑な生命現象への理解に必須であると考えられる。 マウスC2C12細胞は培養条件により筋分化、骨分化を誘導できる性質を持つ。心筋や骨格筋の分化に関与するmiRNAも報告されているが、筋分化に関与するmiRNAの標的遺伝子はまだ少ししか同定されておらず、一方、骨分化に関してはmiRNAの研究はほとんど報告されていない。そこで、私はC2C12細胞を用いて骨・筋分化におけるmiRNAの機能を解明することを目的として本研究を行っている。平成19年度は、miRNAをリアルタイムPCR法で検出する系を立ち上げた。miRNAマイクロアレイ解析を行い分化に伴って変動するmiRNAを数種見出した。また筋分化で発現が亢進するmiRNAの標的遺伝子を新規に同定できた。miRNAはmiRNPと呼ばれるタンパク質の複合体として機能するが、miRNPを免疫沈降することで活性も持ったmiRNAを効率よく精製する系を構築した。現在、同定したmiRNAの分化における機能の解析を進めている。
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