2008 Fiscal Year Final Research Report
Import mechanism of mitochondrial outer membrane protein and physiological significance of its import defect
Project/Area Number |
19770176
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
OTERA Otera Kyushu University, 大学院・医学研究院, 助教 (40380612)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Keywords | 生体膜 |
Research Abstract |
ミトコンドリア外膜複数回膜貫通蛋白質は細胞質で合成された後、ミトコンドリア外膜へと輸送される。ミトコンドリア蛋白質輸送機構の研究は酵母を用いた遺伝学あるいは生化学的手法によりかなりの部分について明らかにされてきているが、複数回膜貫通蛋白質輸送の分子機構については現在まで全く不明であった。そこで本研究では複数回膜貫通蛋白質に焦点を当ててその輸送分子機構の解明を目指した。蛋白質が正しくその機能を発現するためには発現のタイミング、量およびその局在部位への輸送が厳密に制御される必要がある。ミトコンドリア蛋白質は細胞質リボソームで合成された後にミトコンドリアへと輸送され個々の蛋白質特有の機能を発現する。私は本研究で輸送の最初のステップである膜への標的化機構を明らかにする目的でミトコンドリア外膜蛋白質の網羅的発現抑制を行い複数回膜蛋白質輸送に異常を呈する因子の検索を行った。その結果、ミトコンドリア外膜蛋白質Tom70を同定した。Tom70をRNAiにおより発現抑制するとミトコンドリア複数回膜貫通蛋白質の輸送が障害された。逆に過剰発現すると輸送が亢進された。さらにこれまで多くのミトコンドリア蛋白質輸送に際して重要な役割を果たすと考えられてきた外膜輸送チャネルTom40は複数回膜貫通蛋白質輸送には必要ないことを明らかにした。生化学的解析により複数回膜貫通蛋白質輸送にはATPを必要とすることも併せて明らかにした。数回膜貫通蛋白質のトポロジー形成には膜間スペース成分の要求性も認められた。本研究によりこれまで謎であったミトコンドリア外膜の複数回膜貫通蛋白質のトポロジー形成の分子機構の一端を明らかにすることができた(Journalof Cell Biology 2007)。
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