2007 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類の細胞周期静止期の維持と分裂の再開を制御する分子機構
Project/Area Number |
19770177
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
島田 緑 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 研究員 (60444981)
|
Keywords | DNA損傷 / チェックポイント / 細胞周期 / クロマチン |
Research Abstract |
DNA損傷によってさまざまな遺伝子の発現が変化する。実際,紫外線を照射後,発現量が3倍以上変化する遺伝子は全遺伝子の4%にもおよび,このうち90%は転写が抑制される遺伝子である。DNA損傷後,転写が活性化される機構についてはp53やNFkBのような転写活性化因子の解析から多くの知見が得られているが,転写が抑制される機構はほとんど知られていない。われわれは転写に重要な役割を果たすヒストンの修飾がDNA損傷後どのように変化するかに注目した。Chk1はDNA損傷時にセントロソームに移行し,Cdc25をリン酸化することでCdk1の活性を抑制するという重要な機能を持つが,DNA損傷非存在下においては約20%がクロマチンに結合している。このクロマチンに結合しているChk1の機能はこれまで知られていなかった。今回我々の研究により,クロマチン上のChk1によるT11のリン酸化の制御によって,DNA損傷後の転写抑制が誘導されることが分かった。
|