2007 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子E2F1を軸としたフィードバック・ループによる細胞機能制御の解明
Project/Area Number |
19770179
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
吉田 健一 Meiji University, 農学部, 准教授 (20345036)
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Keywords | 細胞周期 / 転写因子 / プロモーター / 分子生物学 |
Research Abstract |
本研究では「細胞周期とアポトーシスを制御する転写因子E2F1の転写ネットワークの理解」を目的として、E2F1を軸としたフィードバック・ループによる細胞機能制御の解明を目指した。特に、E2F1の新規ヒト標的遺伝子として見出したGemininならびにCDCA4について解析を進めた。 1.ヒトCDCA4遺伝子プロモーターのE2F1反応性配列は、転写開始点上流85〜78bpに確認された。この配列はE2Fファミリー(E2F1〜6)のうちE2F1〜4に対してルシフェラーゼ遺伝子の転写を活性化した。 2.CDCA4転写活性化領域を用いたワン・ハイブリッドアッセイの結果、そのC末端領域(175〜241アミノ酸残基)に転写活性を有することが確認された。この活性はE2FファミリーのうちE2F1〜4により抑制された。 3.CDCA4はE2F1依存性の転写活性を抑制した。 4.E2F1とCDCA4との相互作用部位特定に向け、GFPないしFlgタグ付きのCDCA4発現ベクターを作製し、免疫沈降実験に供した。しかしながら、E2F1とCDCA4との相互作用は検出されなかった。 5.E2F1転写活性化領域を用いたワン・ハイブリッドアッセイの結果、この活性はGemininも共発現によって活性化された。 以上より、E2F1-CDCA4、E2F1-Gemininといったフィードバック・ループによりE2F1活性が制御される可能性が示唆され、E2F1を介した細胞増殖・分化や細胞死などの制御を考える上で重要な知見であると推察される。今後、より詳細なメカニズムの解明が必要である。
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Research Products
(5 results)