2008 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子E2F1を軸としたフィードバック・ループによる細胞機能制御の解明
Project/Area Number |
19770179
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
吉田 健一 Meiji University, 農学部, 准教授 (20345036)
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Keywords | 遺伝子 / シグナル伝達 / 転写因子 |
Research Abstract |
「細胞周期とアポトーシスを制御する転写因子E2F1の転写ネットワークの理解」を目的として、E2F1を軸としたフィードバック・ループによる細胞機能制御の解明を目指した。特に、E2F1の新規ヒト標的遺伝子として見出したGemininならびにCDCA4について解析を進めた。GemininやCDCA4によりE2F1を制御する新たなフィードバック・ループを形づくる転写複合装置が解明されれば、GemininやCDCA4によるE2F1を介した細胞機能の制御を理解する新たな視点が確立できる。まず、E2F1とCDCA4との相互作用部位特定に向け、GFPないしFlgタグ付きのCDCA4発現ベクターを作製し、免疫沈降実験に供した。しかしながら、E2F1とCDCA4との相互作用は検出されなかった。次いで、E2F1転写活性化領域を用いたワン・ハイブリッドアッセイの結果、この活性はGemininも共発現によって活性化された。以上より、E2F1-CDCA4、E2F1-Gemininといったフィードバック・ループによりE2F1活性が制御される可能性が示唆され、E2F1を介した細胞増殖・分化や細胞死などの制御を考える上で重要な知見であると推察される。SirT1が抗癌剤エトポシドによるE2F1を介したアポトーシスを軽減したように、GemininやCDCA4がどのようなシグナルに応じてE2F1を制御するのか理解できれば、細胞増殖の制御不能状態である癌の制御に向けた基礎的理解にも結実すると予想される。今後、より詳細なメカニズムの解明が必要である。
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Research Products
(14 results)