2007 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量G蛋白質Rap1による細胞間接着制御機構とその生体内における役割の解析
Project/Area Number |
19770185
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
福原 茂朋 National Cardiovascular Center Research Institute, 研究所・循環器形態部, 室長 (70332880)
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Keywords | VE-cadherin / 細胞間接着 / Rap1 / 細胞内小胞輸送 / アクチン細胞骨格 |
Research Abstract |
血管内皮特異的細胞間接着分子VE-cadherin(VEC)はアドヘレンスジャンクションの形成を介して血管のバリヤー機能を厳密に制御している。我々は今までに低分子量GTP結合タンパク質Rap1がVE-Cadherin接着を正に制御していることを明らかにしてきた。平成19年度はその分子メカニズムをさらに詳細に明らかにするために研究を行い,以下のような結果を得た。 (1)Rap1によるアクチン細胞骨格系制御を介したVE-cadherin接着制御メカニズムサイクリックAMP(cAMP)はEpac-Rap1系を介して細胞間接着部位でアクチン線維の束化を促進し,VE-cadherin接着を安定化することがわかった。そのメカニズムとしてRap1は"VEC→α-catenin→myosinII→アクチン線維の束化→VEC接着の安定化"というポジティブフィードバック機構を活性化することによりVEC接着を増強することを明らかにした。 (2)Rap1活性を時・空問的に制御するための系の確立とそれを用いたVE-cadherin接着制御機構の解析FRB(rapamycinbindingdomainofmTOR)とFKBP(FK506-bindingprotein)はrapamycin依存的に会合する分子である。そこでRap1活性を時・空間的に制御できる系の確立するため,FKBPとEpac1触媒領域の融合蛋白質(FKBP-Epac1)および膜移行シグナルを付加したFRBを細胞に発現させ,rapalnycin刺激した。ずると,FKBP-Epac1は細胞膜に移行し,そこでRap1を活性化した。この系を用いて解析したところ,細胞膜におけるRap1の活性化はエンドゾームに局在するVECの細胞膜への輸送を惹起することがわかった (1)(2)からRap1はアクチン細胞骨格系とVEC輸送の両方を調節することにより,VEC接着を増強することが示唆された。
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