2008 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量G蛋白質Rap1による細胞間接着制御機構とその生体内における役割の解析
Project/Area Number |
19770185
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
福原 茂朋 National Cardiovascular Center Research Institute, 循環器形態部, 室長 (70332880)
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Keywords | VE-cadherin / 細胞間接着 / Rap1 / アクチン細胞骨格 / FRAP解析 |
Research Abstract |
血管内皮特異的細胞間接着分子VE-cadherin (VEC)はアドヘレンスジャンクションの形成を介して血管のバリヤー機能を厳密に制御している。我々は今までに低分子量GTP結合タンパク質Rap1がVEC接着を正に制御していることを明らかにしてきた。平成20年度はその分子メカニズムをさらに詳細に明らかにするために研究を行い、以下のような結果を得た。 (1) サイクリックAMP (cAMP)-Epac-Rap1シグナルは、内皮細胞間接着部位でアクチン線維の束化を惹起し、VECがそのアクチン線維に集積すること、さらにこのアクチン線の束化はVEC接着非依存的に起こることが示された。 (2) VECと緑色蛍光蛋白質(GFP)の融合蛋白質(VEC-GFP)を用いてFRAP (fluorescence recovery after photobleaching)解析を行ったところ、cAMP-Epac-Rap1シグナルは、細胞間接着部位でVECを安定化させることが分かった。また、この反応はアクチン線維脱重合剤により阻害された。 (3) VECの細胞内領域を欠損、あるいはα-cateninに置換したVEC-GFP変異体を用いてFRAP解析を行ったところ、cAMP-Epac-Rap1シグナルによる細胞間接着部位におけるVECの安定化には、β-catenin、α-cateninが必要であることが分かった。 以上の結果から、Rap1は細胞間接着部位でアクチン線維の束化を惹起し、そこにβ-catenin、α-cateninを介してVECを固定することで、VEC接着を増強することが示された。
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