2008 Fiscal Year Annual Research Report
生殖巣との共培養がインプリント遺伝子の刷り込みに及ぼす影響
Project/Area Number |
19770188
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
堀居 拓郎 Gunma University, 生体調節研究所, 助教 (00361387)
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Keywords | インプリンテング / 刷り込み / 始原生細胞 / ES細胞 / EG細胞 / 生殖原基 |
Research Abstract |
本研究では、遺伝子修飾レベルでの性はいつの時期の環境が決定するのか調べることを目的とする。また、体外において刷り込みパターンを制御することができれば、新たな展開が広がる。現在、体外で幹細胞に刷り込の消去、構築を行わせる報告はされていない。しかし、例えば、始原生殖細胞に性質の近いEG細胞(生殖幹細胞)やES細胞(胚性幹細胞)などの培養細胞を生殖巣と共培養することで、生殖細胞の刷り込みパターンを獲得させることができるかもしれない。また、ゲノムの修飾が環境に影響を受ければ、それらの幹細胞から配偶子を体外で分化誘導できるかもしれない。 今年度は、始原生殖細胞より樹立したEG細胞を使って、胚様体(embroid body)の作製を行い、胚様体に存在する始原生細胞マーカーであるSSEA-1陽性細胞を精製し、予め準備した胎児の生殖基とアグリゲーションさせて共培養を行つたの生殖原基内で共培養を行ったEG細胞由来細胞を1週間後に回収し、DNAを抽出した。メチル化状態を調べるために、DNAをバイサルファイト処理し、メチル化解析(COBRA法およびバイサルファイトシーケンシング法)を行った。 今回実験に用いたEG細胞は雄細胞株なので、精子特異的に刷り込みを受ける遺伝子はメチル化されると考えられる。そこで精子特異的な刷り込みを受けるH19遺伝子のメチル化領域を調べたが、培養前後で大きなメチル化の変化は見られなかった。このことから、刷り込みは環境ではなく、細胞自身のもつプログラムによって制御されている可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)