2008 Fiscal Year Annual Research Report
Importin13遺伝子の減数分裂期生殖細胞分化を制御する分子機構の解明
Project/Area Number |
19770198
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山口 泰華 Kumamoto University, 発生医学研究センター, 研究員 (90448522)
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Keywords | 生殖細胞 / 減数分裂 / 分子生物学 |
Research Abstract |
Importinによって媒介される輸送は、細胞内の分子の核-細胞質輸送のための鍵となる分子機構であることが知られており、この分子機構は細胞機能のために重要な働きをする。しかし、Importinの輸送活性を制御している分子機構については、ほとんど解析されていない。本研究課題では、ステージに特異的なImportin13(Ipo13)の発現が、マウス生殖細胞において減数分裂の生殖細胞分化を制御することを示すことを目的とした。 Ipo13は、異なる転写開始点を使い分けることによって、それぞれ別の転写産物を産出する。全長をコードする転写産物(L-Ipo13)は、雌雄の生殖細胞のパキテン期ステージで主な発現を示すが、より短い転写産物(TS-Ipo13)は、特に成体精巣の生殖細胞に発現する。ubiquitin conjugating enzyme 9 (UBC9) を核蓄積させる活性はL-Ipo13にはあるがTS-Ipo13にはないと考えられ、L-Ipo13発現が減数分裂の生殖細胞で始まった後、UBC9が核蓄積することと一致している。 胎児の卵巣でのIpo13活性をsiRNAノックダウンすると、減数分裂の進んだ生殖細胞数が減少することが観察され、またこのときUBC9が核蓄積した細胞数が減少していることが観察された。さらにまた、L-Ipo13とTS-Ipo13を共発現させた細胞では、与えるTS-Ipo13濃度依存的にL-Ipo13の輸送活動を抑制されることが観察された。以上の結果から、減数分裂の生殖細胞分化において、Ipo13の輸送活性はIpo13の転写制御によって調節されるという分子機構が存在すると考えられる。
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Research Products
(2 results)