2007 Fiscal Year Annual Research Report
NotchシグナルによるTbx6依存的なMesp2発現制御機構の解明
Project/Area Number |
19770206
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
安彦 行人 National Institute of Health Sciences, 毒性部, 主任研究官 (40370944)
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Keywords | 形態形成 / 遺伝子発現制御 / 体節形成 / 転写因子 / 遺伝子ターゲティング |
Research Abstract |
転写因子Tbx6が初期発生において器官形成遺伝子の転写を許可する「門番」として働くという仮説を証明するため、Tbx6が制御する重要な遺伝子の代表としてMesp2遺伝子の発現制御機構を解析した。Mesp2は、Notchシグナルの制御下に、体節形成過程において部位特異的かつ周期的な発現を示すが、このNotchシグナルによるMesp2の発現制御にはTbx6の介在が必要という、これまでに知られていないユニークな制御機構を持つ。 本年度の研究においては、研究代表者がすでに同定していた塩基配列情報を利用し、Mesp2遺伝子発現制御領域に存在するTbx6結合配列を遺伝子ターゲティングの手法で破壊したマウスを作製した。得られたマウスはMesp2ノックアウトマウスと全く同じ表現型を示し、Tbx6結合配列がMesp2の発現に必須であること、また研究代表者らが同定した発現制御配列以外にはMesp2の発現制御に必須な制御配列は存在しないことが確認できた。 また、抗Tbx6抗体の作製を行い、免疫染色およびクロマチン免疫沈降(ChIP)法に使用可能な良好な抗体を得ることに成功した。Tbx6の結合がin vivoでMesp2の発現制御に関わっていることを証明するため、ChIP法により体節形成領域におけるTbx6のMesp2発現制御領域への結合状態を解析した。その結果、体節形成領域特異的にTbx6がMesp2発現制御領域に結合していることが確認された。
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