2008 Fiscal Year Annual Research Report
NotchシグナルによるTbx6依存的なMesp2発現制御機構の解明
Project/Area Number |
19770206
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
安彦 行人 National Institute of Health Sciences, 毒性部, 主任研究官 (40370944)
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Keywords | 体節形成 / 転写因子 / シグナル伝達 / マウス |
Research Abstract |
Mesp2遺伝子は体節形成期に、周期的な帯状の発現を示し、体節の分節および各体節の前後極性の形成に重要な役割を果たす。Mesp2が機能を果たすためにはその「周期的な帯状の発現」が必要不可欠であることが分かっているが、そのような発現パターンを規定する分子機構は明らかとなっていなかった。研究代表者はこれまでの研究で、Mesp2遺伝子の発現調節領域にT-box転写因子Tbx6の結合サイトが存在することを見いだし、それがNotchシグナルと協調してMesp2の発現活性化に寄与していることを示唆する結果を得ていた。本研究においては、Mesp2発現制御領域のTbx6結合サイトに変異を加えたエンハンサーノックアウトマウスを作製し、当該Tbx6結合サイトの変異によりMesp2遺伝子が完全に発現及び機能を喪失すること、すなわちTbx6結合サイトがMesp2の発現に必須であることを明らかにした。また、良好な抗Tbx6抗体の作製に成功し、Tbx6はTbx6発現領域全域にわたってMesp2発現制御領域に結合していること、従ってMesp2の発現を前方傍軸中胚葉に限局させている他の因子が存在することを示唆する結果を得た。さらに、メダカにおけるMesp2類似遺伝子であるmespbの発現制御領域をMesp2上流にノックインしたマウスを作製し、体節形成が完全に正常に行われること、すなわちMesp遺伝子発現制御機構が進化的に高度に保存されていることを明らかにした。 これらの結果は原著論文としてDevelopment誌に発表した。
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