2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19770207
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
重信 秀治 National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities, 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 特別訪問研究員 (30399555)
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Keywords | 生殖細胞 / ショウジョウバエ / システムバイオロジー / マイクロアレイ / 比較ゲノム / アブラムシ |
Research Abstract |
本研究では,生殖系列の形成機構の普遍性と多様性,進化を理解するために,モデルとしてキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)始原生殖細胞のトランスクリプトーム情報を収集し,さらに他の生物と比較する. 昨年度までに完了したショウジョウバエの生殖細胞のトランスクリプトーム解析結果に基づいて,SUMO遺伝子群の遺伝子発現の研究,およびapoptosisに関連する遺伝子の発現の研究を行い成果を学術誌に発表することができた(研究発表の項を参照). 当初の計画では,ショウジョウバエ近縁種12種の生殖細胞発生遺伝子の比較ゲノム解析を予定していたが,ショウジョウバエ以外の昆虫ゲノム情報が急速に蓄積しつつある状況を鑑み,研究の対象を昆虫全体に拡張した.ショウジョウバエに加え,アブラムシ Acyrthosiphon pisum,キョウソヤドリコバチ Nasonia vitripennis,ミツバチ Apismellifera,カイコ Bombyx mori,コクヌストモドキ Tribolium castaneumの生殖細胞のspecificationに関わる遺伝子群の保存性を調べた.その結果,いくつかの例外を除いてショウジョウバエで生殖細胞のspecificationに関わることが分かっている遺伝子の多くは昆虫の間で保存されていることがわかった.Oskarやpolar granule component(pgc)は,ショウジョウバエ属のみが持っている.生殖細胞のspecificationに関わる遺伝子は種特異的な遺伝子の増幅はまれであるが,アブラムシにおいては,vasa, nanosホモログともに4つ持っていることがあきらかになった.アブラムシvasaホモログの発現をin situ hybridizationで調べたところ,vasalのみが生殖細胞で発現していることを見いだした.本研究は昆虫に於ける生殖細胞の発生遺伝子の進化を明らかにした初めての例である(投稿済).
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Research Products
(4 results)