2007 Fiscal Year Annual Research Report
アマゾン熱帯林における野生クモザルの社会構造と音声コミュニケーションの進化
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19770213
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
下岡 ゆき子 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 研究員(グローバルCOE) (70402782)
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Keywords | 動物 / 生態学 / 人類学 / 行動学 |
Research Abstract |
クモザルは離合集散する群れを作る霊長類である。離合集散する社会の実態を明らかにすること、その社会を支える音声コミュニケーションの機能と多様性を明らかにすることを目的として、2008年夏に、エクアドルに生息するケナガクモザル1群を対象として野外調査を行った。本調査より、以下を明らかにした。 (1)群れ内の個体の空間分布パタンとその時系列に沿った変化の動態を、個体間距離という指標を用いて定量的に分析した。その結果、個体間距離は0-2409mまで幅広く分布し、全体の48%が100m以内だったが、100m以上の分布がほぼ均一に見られた。また、パーティの広がりは約50mだった。 (2)近距離音声のwhinnyはパーティ同士が合流した時に交わされるのに対し、長距離音声であるロングラウドコールは遠く離れた個体間で交わされた。 (3)録音したロングラウドコールの音響的特性について分析を行い、個体差や性差があるのかを検討し、比較的大きな個体差があることが明らかになった。 申請者らはニホンザルで同様の研究を既に行なっている。群れ型で、ほぼ同じサイズの行動域を持つの社会を持つにもかかわらず、ニホンザルとクモザルでは個体の空間分布パタンに大きな違いがあることが示された。また発声と個体間距離の関連のパタンに大きな差が見られ、2種が同種他個体との距離に関して全く異なる認識を持っていることが明らかになった。これらを量的データを持って示したのは本研究が初である。
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Research Products
(1 results)