2009 Fiscal Year Annual Research Report
現生および化石類人猿の大臼歯歯冠三次元形状の比較研究
Project/Area Number |
19770215
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
河野 礼子 National Museum of Nature and Science, Tokyo, 人類研究部, 研究員 (30356266)
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Keywords | 人類学 / 進化 / 大臼歯 / 類人猿 / 化石 / 機能形態学 |
Research Abstract |
平成21年度は、エチオピア・ミドルアワッシュ出土のアルディピテクス・ラミダス化石標本群について国際調査グループが研究成果をまとめる作業に参加し、大臼歯形状の三次元分析結果をまとめた。これによると、アルディピテクス・ラミダスの大臼歯形状は現生のチンパンジーのそれとはことなり、一定の食物への適応は見られずむしろ祖先的であることが明らかになった。またエナメル質厚さは当初報告されたよりも厚めでチンパンジーとヒトとの中間的であった。これらの結果を10月発行のScience誌上で発表した。 また、中国科学院・古脊椎動物与古人類研究所を訪問し、広西壮族自治区・崇左地区の洞窟遺跡から出土したギガントピテクス化石の観察を実施した。マイクロCT撮影調査の実施の具体的条件等について打ち合わせたが、先方のスケジュールの都合により調査は次年度に実施することとなった。 現生類人猿各種の大臼歯エナメル質分布およびエナメル象牙境界の三次元形状について、これまでの分析結果をまとめ、中国・北京で開催された国際シンポジウム、および東京で開催された日本人類学会の第63回年次大会において、それぞれ発表した。
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