2007 Fiscal Year Annual Research Report
日常生活における光・温熱環境が及ぼすヒトの環境適応能への影響に関する研究
Project/Area Number |
19770216
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
戸渡 智子 (上野 智子) Fukuoka Women's University, 人間環境学部, 助手 (80336966)
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Keywords | コルチゾール / メラトニン / 環境適応能 / サーカディアンリズム |
Research Abstract |
本研究では,日常生活において曝露される光の強さや気温・湿度などの生活環境について個人毎・季節毎の調査を行うと同時に,唾液分析によりメラトニンおよびコルチゾールホルモンの分泌量を測定し,光環境・温熱環境が内分泌系に及ぼす長期的な影響とその季節変動について検討することを計画している。 平成19年度は,夏季と秋季におけるフィールド調査を行った。実験期間は夏至および秋分から1ヶ月間とした。事前アンケートにより普段の就寝・起床時刻および月経周期がほぼ規則的であると回答した健康な青年女子を被験者とし,各季節にっき7日間,日常生活において曝露される気温,湿度,光の強さおよび活動量を携帯型記録計により測定するとともに,測定期間中のうちの1日間,指定した時間毎に唾液を採取させ,併せて睡眠時間などに関するアンケートを記入させた。以上の調査により,夏季と秋季において実際に曝露される光環境・温熱環境の把握,およびこれらの環境要因が内分泌挙動へ与える影響についての検討を行った。 被験者周囲の平均気温・平均湿度は,夏季27℃・67%,秋季26℃・60%であり,特に秋季の気温は例年よりも高く,温熱環境において大きな季節差はみられなかった。また,被験者の受光照度は時間帯により夏季と秋季で異なる傾向にあったものの,夏季の実験期間は梅雨と重なり,光環境についても夏季と秋季で大差は認められなかった。これら初年度の結果や日本の気候を加味し,次年度は光環境・温熱環境ともより対照的となる4つの時期を,それぞれの四季に相当する実験期間として選択し,季節間の差異について検討を行う予定である。
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