2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19780004
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松浦 恭和 Okayama University, 資源生物科学研究所, 技術職員 (10379810)
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Keywords | 育種 / コムギ / 穂発芽 / 種子休眠 / アブシジン酸(ABA)感受性 |
Research Abstract |
白粒コムギを栽培する上で問題となる「穂発芽」を回避するため、所有コムギ系統中、発芽抑制効果の高い植物ホルモンアブシジン酸の感受性が最も高いOW104と所有白粒コムギ系統の中で最も種子休眠能力の高いAUS1408の後代を種子休眠能力とアブジシン酸感受性で選抜することにより穂発芽耐性白粒コムギの作出を試みた。平成19年度は、圃場にて栽培したOW104×AUS1408のF_<2系統>301系統と両親2系統、穂発芽耐性評価基準品種5品種、合計約3800穂の開花日の調査を行った。その後、含水率が20%を切った開花後45日でF_2系統に稔実したF_3種子301系統の種子色を評価した結果、赤粒285系統と白粒16系統であった。さらに301系統中65系統(白粒16系統と赤粒49系統を含む)で種子の含水率が20%を切った開花後日数の穂から種子を採種し合計200シャーレ(コムギ種子は1シャーレ当たり10〜20粒供試)で種子休眠性の評価を行った。同時に両親2系統と穂発芽耐性評価基準品種5品種合計約350シャーレ(コムギ種子は1シャーレ当たり10〜20粒供試)で種子の含水率が20%を切った開花後日数の穂から種子を採種し発芽抑制植物ホルモンであるアブシジン酸や発芽促進植物ホルモンであるジベレリン酸の感受性を調査した。その結果、白粒16系統すべての系統で白粒親のAUS1408より高い種子休眠能力を示した。種子休眠能力の高いコムギ系統の多くが穂発芽耐性も高いことから、これら白粒系統は従来の白粒系統より強い穂発芽耐性を示すと考えられる。次年度以降これら白粒系統からより種子休眠能力の高い系統を選抜することで穂発芽耐性白粒コムギを作出可能と考えられる。
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