2007 Fiscal Year Annual Research Report
チャにおけるカフェインレス個体出現の遺伝的メカニズムの解明
Project/Area Number |
19780009
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
荻野 暁子 National Agricultural Research Organization, 野菜茶業研究所 野菜・茶機能性研究チーム, 研究員 (70370567)
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Keywords | チャ / カフェインレス / 種間交雑 / カフェイン合成酵素 / In / Dell多型 |
Research Abstract |
チャのカフェイン含有量を決定する遺伝的メカニズムの解明を目指して、今年度は以下の研究を行った。 1)カフェインレス個体出現機構解明のための交雑実験 19年度秋に、F95181×枕F1-95180の交配を246花行った。また、F95181を用いて、別のチャ品種との交配も2組合せ210花行った。18年度実施したF95181×枕Fl-95180の交配から231粒の種子を得、それらをビニールハウス内で播種、現在育苗中である。17年度実施したF95181×枕F1-95180の交配より得られた82粒の種子からは、同交雑後代を40個体得た。 2)カフェイン合成酵素遺伝子の構造解析 カフェインレス座の有力な候補であるTCS1およびTCS2について、チャとチャの近縁野生種タリエンシス(Camellia taliensis)のtotal DNAからPCRにてDNA断片を増幅し、現在までにTCS1の一部を除きPCRクローンが得られている。それらの配列解析から、TCS1とTCS2は共に3つのイントロンを含む構造をしていることが明らかになり、TCS1、TCS2とも第3イントロンにチャとタリエンシス間の多型(In/Del多型)があることが明らかになった。TCS2については、同様の多型が第1イントロンからも検出できた。これらのIn/De1多型は、タリエンシス由来のカフェインレスアレルを検出するDNAマーカーとして利用できるものと考えられる。
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