2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19780011
|
Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
川勝 泰二 National Institute of Agrobiological Sciences, 遺伝子組換え作物開発センター, 任期付研究員 (30435614)
|
Keywords | イネ / 種子貯蔵タンパク質 / 外来遺伝子産物高蓄積 |
Research Abstract |
外来遺伝子高度蓄積の遺伝的メカニズムの解析を行うために、高種子タンパク質品種とスギ花粉症緩和米、抗WASP scFV発現米を交配した後代を閉鎖系温室で展開したが、ほとんど不稔であり、次年度以降の解析の材料を得ることができなかった。 遺伝子発現抑制による種子貯蔵タンパク質低減系統と、スギ花粉症緩和米、抗WASP scFV発現米の後代における、7Crp、scFV蓄積量を解析した。グルテリン低減系統ではsilencingが起こり外来遺伝子産物の蓄積は見られなかった。一方プロラミン低減系統では、外来遺伝子産物は蓄積していたが、顕著に増加したものは見られなかった。このことから、低減する貯蔵タンパク質と、発現誘導に用いるプロモーターの組合せが重要であることが示唆された。 交配によってグルテリン(GluB)・13kプロラミン低減系統、グルテリン(GluB)・26kグロブリン・13kプロラミン低減系統を作出した。Multisite Gateway System(MGS)を用いて、ほぼ全てのグルテリン(GluAおよびGluB)の低減系統、ほぼ全てのグルテリン(GluA、GluB)、26kグロブリン・13kプロラミン低減系統を作出した。このことから、MGSを用いることにより、複数種類の遺伝子発現抑制を一度の形質転換で可能であることが明らかになった。 マッピングにより、ジャポニカ品種とインディカ品種間の種子タンパク質組成の多型の原因遺伝子が、新規のグルテリン遺伝子GluD-1であることが明らかになった。
|