2007 Fiscal Year Annual Research Report
寄生植物ストライガのイネ寄生過程において機能する遺伝子の探索
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19780040
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉田 聡子 The Institute of Physical and Chemical Research, 植物免疫研究チーム, 研究員 (20450421)
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Keywords | 寄生植物 / ストライガ / ESTデータベース / cDNAライブラリー / 宿主特異性 |
Research Abstract |
根寄生雑草ストライガはアフリカを中心とした半乾燥地域で甚大な農業被害をもたらす、病害雑草である。しかし、その寄生の分子機構に関しては未だに知見が乏しく、根本的な解決策は見つかっていない。本研究ではストライガの寄生機構の分子レベルでの解明を目指している。本年度の成果を以下に示す。 1.宿主-寄生植物相互作用における遺伝子発現解析。まず、ストライガの宿主植物への実験室内での感染系を確立した。次に、宿主・非宿主植物における寄生過程を実体顕微鏡下、また樹脂包埋切片を作製ののち光学顕微鏡下で観察した。その結果、ストライガと宿主・非宿主植物の相耳作用のパターンを明らかにした。遺伝子発現解析のための最適な条件について現在検討中である。 2.ストライガcDNAライブラリーの構築とシーケンス解析。 遺伝子情報ストライガの種々の発達段階また器官からRNAを抽出し、全長cDNAライブラリーを構築した。約40,000cDNAクローンの両端から塩基配列を決定し、クラスタリング解析の結果、重複のない約17,000の配列を得た。これらのストライガEST塩基配列をblastプログラムを用いてホモロジー解析し、結果のデータベース化を進めている。このデータベースはストライガの遺伝子解析のための有用な情報ツールになると考えている。 3.ストライガ簡易形質転換法の確立。恒常的発現プロモータ下で制御されたGFP遺伝子をマーカーに用いて、Agrobacterium tumefaciensもしくはA.rhizogenesを用いて、ストライガ形質転換法の確立を試みた。その結果、A.rhizogenesを用いた形質転換に成功した。
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Research Products
(3 results)