2007 Fiscal Year Annual Research Report
害虫の加害が誘導するイネの抵抗性機構の解明:セジロウンカ由来の新規エリシター
Project/Area Number |
19780041
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
手林 慎一 Kochi University, 高知大学・農学部, 准教授 (70325405)
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Keywords | ウンカ / エリシター / イネ / 天然物化学 |
Research Abstract |
(公表は差し控えてください) 既に開発しているイネ苗を用いた生物試験を基にして、セジロウンカからイネに対するBenzyl benzoate誘導を引き起こすエリシターの単離・同定を試みた。セジロウンカ成虫の磨砕物の水縣濁液を遠心分離し得られた上清をヘキサン、酢酸エチル、水飽和ブタノールで液-液分配分画すると活性は水層に回収された。これをODSカラムクロマトグラフィーにて30%メタノール水溶液、50%メタノール水溶液、70%メタノール水溶液、90%メタノール水溶液、100%メタノール、エタノールで順次溶出すると90%メタノール水溶液に活性が確認された。この画分を逆相系のHPLCにて保持時間に従い分画し6画分(Fr.A;0-25min,Fr.B;25-505min,Fr.C;50-75min,Fr.D;75-100min,Fr.E;100-125min,Fr.A;125-180min)に分画した。各画分を生物試験に供するとFr.Cに強い活性が、Fr.A及びFr.Dに弱い活性が確認され、エリシターは複数存在することが判明した。最も活性の強いFr.Cに関してさらにHPLCで分画し(Fr.C-a,Fr.C-b,Fr.C-c,Fr.C-d,Fr.C-e,Fr.C-f,)生物試験に供すると、活性はFr.C-eおよびFr.C-fに見られた。そこで核磁気共鳴分析に供したところ精製が不十分であるものの、長鎖脂肪族由来と推定される多数のメチレン基および複数のメチル基の存在が確認されたもののそれ以上の解析は不能であった。現在、セジロウンカを大量に飼育し本化合物の単離・同定を目指している。
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