2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19780050
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Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences |
Principal Investigator |
間崎 剛 Nagoya University of Arts and Sciences, 管理栄養学部, 助教 (10387912)
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Keywords | ダイズ / 発芽 / 種子貯蔵タンパク質 / アレルゲン / プロテアーゼ / タンパク質分解 / 大豆 / 植物生理 |
Research Abstract |
我々の食生活においてダイズ種子は植物性の良質なタンパク質源であり、その加工特性や栄養価値を活かして様々な加工食品や栄養補助食品に頻用されている。しかし、ダイズにはアレルギーを誘発するタンパク質(主なものとしてGly m Bd 30K、 Gly m Bd 28K、β-コングリシニンのα-サブユニット)が含まれており、その除去や低減化が求められている。一方、植物種子に豊富に含まれるタンパク質のいくつかは窒素源やエネルギー源として芽生えの成長を支えるために貯蔵されており、発芽に伴って活性化するプロテアーゼにより分解されると考えられている。そこで我々は、内在性プロテアーゼを人為的に活性化することによる新奇低アレルゲン化法の可能性を模索するために、まずはダイズの発芽に伴うアレルゲンの挙動変化から解析を進めてきた。 我々は、ダイズの主要なアレルゲンのうちβ-コングリシニンのα-サブユニットとGly m Bd 28Kは播種後数日以内に消失することをこれまでに明らかにしてきていたが、ダイズを播種後20日間育てることでGly m Bd 30Kもまた消失することを、本年度の研究により明らかにした。したがってダイズの3つの主要なアレルゲンは、減少時期こそ違うものの、いずれも内在性プロテアーゼの標的である可能性が強く示唆された。 また、我々はアレルゲンの減少過程にある生育時期のダイズ個体より調製した抽出液を適切なpH、温度条件下でインキュベートした時にこれらのアレルゲンが減少することをこれまでに示していたが、本年度はそのインキュベート実験に種々のプロテアーゼ阻害剤を適用することにより、インキュベートによるアレルゲンの分解はアスパラギン酸プロテアーゼの阻害剤により顕著に抑制されることを見いだした。したがって、ダイズアレルゲンは内在性のアスパラギン酸プロテアーゼによって分解される可能性が示唆された。
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