2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19780063
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
佐々木 康幸 Tokyo University of Agriculture, 応用生物科学部, 助教 (50398814)
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Keywords | 遺伝学 / 酵素学 |
Research Abstract |
本研究は抗生物質一抗癌剤、免疫抑制剤など人類にとうて非常に有用な微生である放線菌の新規な窒素代謝系を分子レベルで明らかにし、各種発酵生産において本菌群の通気制御などの生育制御や、また本代謝系を利用した排水処理技術の開発などの応用面での目的と、さらには地球上の窒素サイクルの新たなが記述的知見を得ることを目的としている。 放線菌の3つの異化型硝酸塩還元酵素(dNar)のそれぞれの破壊株について好気条件下及び嫌気条件下での役割について解析した結果、本酵素群はそれぞれの条件下において、菌の生育に対しその存在意義に明確な違いをを有していることを明らかにした。これは未だ報告されておらず、非常に有意義な発見である。 また、本新規代謝系に関与すると考えられるFlavohemoglobinは、一般的には一酸化窒素を硝酸に酸化する酵素でnitrosative stressに対する防御酵素であることが知られており、単量体で機能することが知られている。放線菌に見出した特徴的配列を持つFlavohemoglohinは発現条件が既知のものと異なることを前年度までに明らかとしたが、さらに本年度では本酵素が多量体を形成している可能性を示唆する結果が得られた。さらに、本酵素においてこれまで例のない新規な発見をいくつかできた。これらの結果は、新規なFlavohemoglobinの生理機能を十分示唆しており、今後の興味深い課題を提供した。
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