2008 Fiscal Year Annual Research Report
院内感染に関与する胞子形成細菌の検出および同定法の確立
Project/Area Number |
19780066
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
桑名 利津子 Setsunan University, 薬学部, 助教 (50330361)
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Keywords | 院内感染 / 細菌 / 微生物 / 遺伝子 / 胞子 / 検出 |
Research Abstract |
院内感染が起こる病院内では, 多種多様の抗生物質, 化学薬品や消毒薬が使用されているので, 病院内に存在する細菌も抗生物質・その他の薬剤に対して耐性を獲得していると考えられる. またBacillus属などの胞子形成細菌は, 胞子形成を行い, 胞子になっている状態の細胞であると考えられる. そのため胞子形成細菌の胞子形成機構及び, 耐性獲得機構について解析を行った. 胞子形成細菌のうち9種類のセレウス菌株を用いて, 胞子形成を行うための培養条件を検討した. 胞子形成の有無は, 位相差顕微鏡観察を行うことで確認した. セレウス菌株における胞子形成は培地や温度などの培養条件により胞子形成率および細胞形態が異なることが明らかとなった. 特に培地内のグルコース濃度や培養温度により, セレウス菌株における胞子の耐熱性獲得に影響することがわかった. 熱とエタノールに対する耐性の比率が異なっていることから, 熱とエタノールに対する耐性獲得機構は異なっていると考えられる. またリゾチームに対する耐性試験を行ったところ, 耐熱性を獲得していないセレウス菌株の胞子でも耐性を獲得していた. これらのことは今まで研究が進んでいた枯草菌とは大きく異なる点であり, 同じBacillus属細菌であっても, 胞子の特徴が大きく異なることがわかった.
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Research Products
(11 results)