2008 Fiscal Year Annual Research Report
リステリア菌感染の高感度検出レポーターシステムを用いた新規防御因子の探索
Project/Area Number |
19780069
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 彰 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, COEフェロー (70419000)
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Keywords | 細胞内寄生細菌 / 自然免疫 / ショウジョウバエ / RNAi / Listeria monocytogenes |
Research Abstract |
本研究は、人獣共通感染症であるリステリア症を引き起こす細菌の一つとなっているリステリア菌(Listeria monocytogenes : 以下Lmと略す)の感染を高感度に検出することができるレポーターシステムを構築すること、さらにこのシステムを利用してLm感染に対する新規宿主防御因子を同定することを目的とする。当研究室(研究代表者 : 倉田祥一朗)では、新規自然免疫分子同定のために約10,000株のショウジョウバエを用いた機能獲得型スクリーニングを行い、ペプチドグリカン認識タンパク質の一つであるPGRP(Peptidoglycan recognition protein)-LEを同定した。近年、このPGRP-LEが細胞内寄生細菌の認識分子として機能を発揮すること(Kaneko T.et al., Nat. Immunol., 7, 715-723, 2006)、さらにPGRP-LEを介したLm菌の排除にはタンパク質分解系の一つであるAutophagy(自食作用)が働いていることが示された(Yano T., et.al., 9, 908-916, 2008)。平成20年度は、このPGRP-LEを介したLm菌感染に対する防御因子の同定のために行われた遺伝子網羅的なDNAマイクロアレイの詳細なデータ解析を行い、PGRP-LE依存的かつ野性型Lm菌の感染特異的にその発現が上昇する遺伝子の機能解析を行った。新規遺伝子CG9080は、培養細胞を用いた過剰発現解析およびRNAi法を用いた機能抑制解析によって、JAK-STAT経路によって制御されていることが明らかとなった。また、009080過剰発現ショウジョウバエ個体は、Lm菌感染に対して抵抗性を示し、またCFU解析の結果から、体液中におけるLm菌数も低下していた。CG9080が新規抗菌ペプチドである可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)