2007 Fiscal Year Annual Research Report
トマト果実の成熟に伴うステロイドアルカロイド代謝の解明
Project/Area Number |
19780081
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Research Institution | Kazusa DNA Research Institute |
Principal Investigator |
飯島 陽子 Kazusa DNA Research Institute, 産業基盤開発研究部 ゲノムバイテク研究室, 特別研究員 (90415456)
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Keywords | トマト / グリコアルカロイド / メタボロミクス / 成熟 / エチレン |
Research Abstract |
トマトでは、tomatineが主要グリコアルカロイド(GA)であるが、成熟果実ではほとんど存在せず、成熟果実でのGAの組成、含量についての詳細は分かっていない。本研究では、LC-MSにより成熟果実のGAの分析と定量を行い、主要GAの同定と生成機構について検討した。トマト果実のLC-MS分析を行い、分子量1269の顕著なGAのピークを検出した。単離精製後、NMR分析によりこの成分はesculeosideAと同定した。17種の市販トマトを用いて定量分析を行ったところ、いずれも esculeosideAが主要GAだったが、その含量は40〜500μg/g(新鮮重量)であり、果実重量が小さいほど量が多い傾向があることが分かった(相関係数r=-0.70)。5つの成熟段階の異なるトマト果実における esculeosideAを分析した結果、esculeosideAの生成は未熟段階からターニング段階において顕著に増加した。さらに、果実成熟に関与するエチレン生成および受容関連の果実変異体トマトを用いて分析した結果、いずれのトマト果実も野生株に比べてesculeosideAの量は顕著に低く、主要GAはtomatineであった。また未熟果実において、エチレン処理および未処理条件でGAを比較した結果、エチレン処理では未処理に比べ、esculeosideAの増加が見られた。これらの結果からトマト果実成熟に伴うesculeosideA生成にはエチレンが関与することが明らかになった。
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Research Products
(1 results)