2007 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族化合物のバイオリファイナリーのための基盤技術の開発
Project/Area Number |
19780082
|
Research Institution | Osaka Municipal Technical Research Institute |
Principal Investigator |
駒 大輔 Osaka Municipal Technical Research Institute, 環境技術研究部, 研究員 (80443547)
|
Keywords | バイオテクノロジー / バイオマス / 発酵 / 応用微生物 / バイオリファイナリー |
Research Abstract |
本年度は,多様な芳香族化合物を生産可能な大腸菌を作製するための第一段階として,前駆体となりえるフェニルアラニンや桂皮酸を生産することの可能な大腸菌の作製を目指した。その結果,多様な芳香族化合物を生産するための基盤となる大腸菌の作製に成功した。 まず,大腸菌の代謝フラックスをフェニルアラニンの生産へと傾けるために,シキミ酸経路を遺伝子レベルで改変した。具体的には,か濯遺伝子を破壊し,さらにフェニルアラニンによるフィードバック阻害を脱感作したaroFとpheA遺伝子を高発現する大腸菌を作製した。作製した大腸菌では,野生株と比較して,フェニルアラニンの生産量が著しく高まっていた。さらに,Pseudomonas fluorescensとAspergillus oryzaeから,2種類のフェニルアラニン/チロシンーアンモニアリアーゼ(PAL/TAL)をクローニングし,機能性タンパク質として大腸菌で発現させることに成功した。これらのPAL/TAL遺伝子をフェニルアラニン生産性大腸菌に導入して発現させることにより,グルコースから桂皮酸またはヒドロキシ桂皮酸を作り出すことに成功した。 したがって,今年度作製した菌株にフェニルアラニンおよび桂皮酸の変換酵素遺伝子を導入して発現させることで,様々な芳香族化合物を生産させることが可能となった。例えば,桂皮酸デヒドロゲナーゼを導入することにより,グルコースより汎用ポリマーであるポリスチレンの原料(スチレン)を生産することが可能であると考えられる。
|