2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムマイニングによる新規ポリケタイド合成酵素の探索及び物質生産系の構築
Project/Area Number |
19780084
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鮒 信学 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (70361574)
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Keywords | ポリケタイド / クルクミン / ウコン / ポリケタイド合成酵素 / Oryz sativa |
Research Abstract |
イネOryza sativaのゲノム上には30種類以上のIII型ポリケタイド合成酵素がコードされている。我々は以前、その中の1遺伝子os07g17010(CUSと命名)が2分子のferuloyl-CoAと1分子のmalonyl-CoAからクルクミンの合成を触媒することを明らかにしていた。今回我々は、この知見を基にウコンCurcuma longa L.からIII型ポリケタイド合成酵素遺伝子と相同性を有するc DNAを複数種クローニングし、その機能解析を行った。その結果、diketide-CoA synthase(DCS)と命名した酵素は、feruloyl-CoAにmalonyl-CoAを縮合しdiketide-CoAの合成を触媒する新規酵素であることが判明した。またcurcumi nsynthase(CURS)と命名した酵素は、feruloyl-CoAとDCSの産物であるdiketide-CoAからクルクミンの合成を触媒する酵素であることが判明した。イネはクルクミンを生産しないためCUSのイネにおける生理的意義は不明である。一方、ウコンはその有効成分としてクルクミンを生産し、DCS及びCURSの二つの鍵酵素により炭素骨格が生合成されていることが分かった。この発見により植物はもとよりそれ以外の生物種におけるウコンの生産が可能になる。 枯草菌Bacillus subtiltsと粘液細菌Myxococcus xanthusのIII型ポリケタイド合成酵素(それぞれBcsAとFTP)の機能解析を行った。その結果、BcsAはアルキルパイロンの合成を触媒し、FTPはアルキルレゾシノールの合成を触媒することが明らかになった。
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