2007 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドローム予防素材としてのプラズマローゲンの生理作用の解明
Project/Area Number |
19780091
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西向 めぐみ Hokkaido University, 創成科学共同研究機構, 特任助教 (40374730)
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Keywords | プラズマローゲン / 脂肪細胞 |
Research Abstract |
本年度は、実際に体内へ取り込まれた脂質であるカイロミクロンを含むリンパ液を脂肪細胞へ添加し、その際のアディポサイトカインの分泌を検討することによって、生体内により近い状態での脂質と脂肪細胞の関係を評価した。まず、胸管リンパ管にカテーテルを插入したラットに、牛脳から抽出したプラズマローゲン含有リン脂質画分を含む脂質、比較対照として大豆油のみ、または大豆コリンリン脂質を含む脂質を投与し、脂質投与後のリンパ液を回収した。回収したリンパ液は遠心分離(10,000rpm、30分)でカイロミクロン画分を回収し、カイロミクロン濃度(中性脂質濃度で換算)が0.1%または0.5%になるように培地に添加し、試験培地とした。この時、プラズマローゲンを含有牛脳リン脂質画分を含む脂質を投与したラットから回収したカイロミクロン中のプラズマローゲン濃度は1%であった。前駆脂肪細胞(VAC, VA culture Kit, Primary Cell Co., Ltd.)を24穴プレートに播種、4日後コンフルエントの状態になった内臓脂肪細胞に、カイロミクロンを含む試験培地を添加して培養した。48時間後、培養上清を回収し、培養細胞中の中性脂質量、培養上清中のアディポサイトカイン濃度を測定した。その結果、内臓脂肪細胞への脂肪蓄積はカイロミクロン濃度に比例して増加し、牛脳リン脂質群で、大豆油群よりも脂質の蓄積が少なかった。大豆コリンリン脂質群でも減少傾向にあった。培養上清中のアディポネクチン放出量はカイロミクロンの添加によって増加し、リン脂質添加群で高く、特に牛脳リン脂質群で高い値を示した。レプチン、レジスチンはカイロミクロンの添加によって増加したが、添加量、リン脂質の種類による差は見られなかった。この結果は、吸収されたリン脂質、特にプラズマローゲンが内臓脂肪細胞に影響を与えることを示唆している。
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Research Products
(3 results)